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【ハイキュー!!】短編集~Mint tea~

第7章 繋がる心【澤村大地】




***


「それが3日前」


試合前の待機中であるクロに、私が抱いていた気持ちをすべて吐き出した。

「……そうか。サームラがそんな事をねぇ」


澤村は今日の大会が終わったらバレー部を辞めると私に言った。


「だから……今日の大会終わったら……澤村、辞めちゃうよっ」

私は泣きそうになるのを必死で堪えて、クロに訴えた。

クロと私が話している間、澤村は誰と話すでもなく、目を閉じてこれから始まる試合に向けて集中力を高めていた。



「名前はやっとサームラへの気持ち、気付けたんだよな?」

「……うん」


「名前のありのままの気持ち、アイツに伝えろよ。ぜってぇ上手くいくから、もう心配すんな」

「……うん。ありがと」


3日前の出来事以降は、私も澤村もこの話題に触れていない。
講義中も練習中も、お互いに何も感じてないフリをしていた。

だから澤村の顔を見てるだけで、辛かった。



「ま。俺は、1年の時からお前ら見てて分かってたけどな」

「え?「よし!そろそろアップとるぞー!!」

クロとの会話中に、主将の号令によって声が掻き消された。
すぐにコートへの移動が始まる。



それからは固唾を呑んで試合を見守った。
これが澤村の最後の試合……そうなってしまうのか。


今日は澤村もクロもスタメンで、もう後がないピンチの場面で澤村のサーブ。


「澤村ー!ナイッサー!!」


今日は何度目かのサーブだが、これまでは相手チームに拾われてしまっていた。

その時、集中しきった澤村から、3日前私に見せてくれたあの精度の高い強烈なサーブが打たれる。


それは相手から、サービスエースを奪った。

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