第6章 17歳の君が好き。【澤村大地】
「す、スマン急に!変な事、言ったな」
あー、もう。我慢出来ない。
この顔、この声……反則だよ。
「……澤村、ズルいよ」
「っ!?」
私は澤村の頬に思わずキスをしてしまった。
たぶん私は“もうどーにでもなれっ”って思ってた。
「苗字っ……!なに……」
澤村の顔も、真っ赤だ。
「もしかしたら澤村も……って、勘違いしちゃうでしょ」
キスした頬を押さえた澤村は恥ずかしそうで、私はそんな彼を真っ直ぐに見つめた。
「好きなの、澤村が」
こんな形で告白するつもりじゃ無かった。
部活を引退して、二人とも進路が決まって、落ち着いてから。
卒業式あたりに言えたら良いな、って。
「……ありがとな、苗字」
澤村は顔を上げ、私を見つめて言ってくれた。