第6章 17歳の君が好き。【澤村大地】
「俺はさ、俺がやりたくてバレー続けるんだ。その事に後悔なんか微塵も無いし、将来捨てた訳じゃ無いから受験勉強もちゃんとやるつもりだよ」
「……うん」
「だから無理なんかしてない。部活も勉強も、“やらなきゃいけない”じゃなくて“やりたい”だ!」
この屈託の無い笑顔にどれ程安堵したか。
勝手に心配していた自分が、完全に吹き飛ばされた。
澤村は絶対に大丈夫って、ストンと腑に落ちた。
「そっか、良かった!私、お節介だったね」
ごめんと一言謝って、ベランダを後にしようとした瞬間。
澤村に腕を掴まれた。
「苗字」
やけに真剣な顔を向けられてドキッとする。
「な、なに?」
「……俺、お前に……っ」
左胸が再び煩く鼓動を打つ。
澤村に……聴こえてしまいそう、かも。
「……これからも俺の事、見てて欲しいよ」
今の私の顔、たぶん真っ赤だ。