第6章 17歳の君が好き。【澤村大地】
「心配だろうけどさ。俺達、自分の意思でバレーやるんだ。ここでバレー辞めたら俺達じゃ無いよ」
「そう、だね。澤村は……大丈夫かな?」
「大地に直接聞いてみ?今、一人だからさ」
スガちゃんは、私が澤村を好きな事を知っている、と思う。
教えた訳では無いけど、何かと私が澤村の事を気にしてるのを見てるし。
今みたいにチャンスがあると、背中を押すような言動もある。
「そだね……ちょっと話してみる」
私は、澤村が一人でいるベランダへと向かった。
「……澤村」
「お、苗字か」
澤村から少し間隔を空けて隣に立つ。
私を見る彼の純真で綺麗な目や、腕捲りしたシャツから見える逞しい腕が近くにあって、すぐに左胸が煩く音を速める。
「部活……続けるんだね」
「うん。聞こえてた?」
「……澤村の声、よく通るから」
「受験あんのにどうすんだバカか!とか思った?」
「思わないよ」
やっぱり大好きな澤村の声。
心拍数は高まる一方だ。