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【ハイキュー!!】短編集~Mint tea~

第14章 レインドロップス【澤村・及川】




「さ、澤村っ……?」

暖かい彼の体温が伝わって、秋の気候で冷えてきた身体がホカホカする。

否、それだけでは無い。
私の体温自体が急上昇している。

心臓が速く速く動いて、全身に血が巡る。
顔は特に火照っていて、目の前にある学ランの金のボタンしか見る事が出来ない。



「なぁ苗字。俺さ、苗字……名前、が好きだ。

なんつーか……すげぇ、大切なんだよ……」



こんなに嬉しい事があるだろうか。

憧れて、信頼して、尊敬して、大好きになった人からの告白。



「私も好き」……そう伝えようとした。


でも私は、澤村に相応しいの?

好きでもない人と身体を重ねる様な、こんな私が。
しかも、烏野を破ったチームの人間と。




言えない……言えないよ。

私のバカ。



なんで私なんかの事、好きになってくれるの?

澤村の、バカ。




「……名前、はさ。何か悩んでる事でもあるの?」

「え……?」

「……先週さ、すげぇ辛そうな顔してたから」



優しく、しないで。
こんな私に……。



「……澤村には、隠せないね」



そんな優しい顔で、声で、暖かさで……私を困らせないでよ。



あなたに見つめられると……罪も闇も、何もかも……吐き出してしまう。




「……青城バレー部の及川、知ってるよね?私、彼とセフレなの」

「……え?」



止めたい、止めたい。



「この間は生理こなくてチョット焦ってただけ。でももう解決したし」



止めたいのに……口が止まらない。



「私、最低なの。好きでもない人に平気で抱かれる。澤村にみたいな良い人に……見合う女じゃない」



黙ってれば良いのに……どうして?



抱き締めていてくれた澤村の手を解いて、彼の腕の中から出た。

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