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【ハイキュー!!】短編集~Mint tea~

第12章 男の子、女の子【菅原孝支】




***


昼休みになり、ミオが後ろを向き私の机で昼食を広げる。
いつもながら、そんなので足りるのか?と心配になってしまう程の小さい弁当だ。


「こうなったら名前大改造計画開始だよ!」


ミオが食事を中断し、キラキラした可愛いチャームが付いている学生鞄から雑誌を取り出す。


「ホラホラ、コレっ!」

ミオが見せてきた見開きページには、「保存版!今更聞けないモテメイクHOW TO♡イチから大解説!」の見出し。

あからさまに「けっ」という顔をしてしまった私に、ミオが力説を始める。



「名前、悔しくないの!?いっつも干物とか言われてさ!一緒に振り向かせようよ!」

「ミオの気持ちは嬉しいんだけどさ……私が今更、女の子女の子したところで笑われるのがオチだって」

「そんな事ない!いつもしてないからギャップにキュンとクるんだってば!!名前は素材が良いんだから!!」



「何でかい声で話してんだ?」

ミオの大きい声につられて、澤村が話に入ってくる。


「あれ孝支は?」
「分かんね。俺が購買から戻ってきたら居なかったけど」
「あそ。今ね、名前と一緒にこれ見てたんだ」
「……俺にはチンプンカンプンだな」

ミオが楽しそうに澤村に雑誌を見せる。


「あ、そだ。バレー部主将の澤村クン」
「何だよ苗字」

「さっき坂ノ下商店で、バレー部2年の坊主と小っさいツンツン頭にパンツ見られたんだけど」
「……悪かったな。言っておく」


なんて。
パンツを見られてしまったのは、この2人とカツサンド争奪戦をした弾みだったりする。


お昼のガッツリカツサンドの為に、運動部男子相手に死闘を繰り広げる女……。

こんな所からも自分の女子力の低さを痛感してしまい、惨めで真相を打ち明ける事も出来ない。



そんな私がちょっとメイクした所で、菅原は振り向かない。

やらなくても結果は分かっていた。




「あ。スガはこういう大人っぽい系、結構好きかもだぞ?」


「「……え?」」

澤村の一声に、ミオと私の反応が重なった。

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