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追憶【レイトン教授】

第3章 【魔人の笛】序章―—出会いと再会――







一方でレミはというと。
レイトンの助手として赴任したことを嬉しく思っていた。

やっぱり教授とさんは私と初めて会った時のことなんかすこしもおぼえてはいなかった。

ふと思い出すのは初めて彼らと会った時の事。
その瞬間からレミの記憶には彼らの姿が鮮明に描かれた。

でもこれからは助手としてイヤというほど覚えてもらうことになるからいいかな。

嬉しさのあまり緩む口元。
彼らの心中など気にしないというようにレミはこれから起こることを心待ちにしていた。

「で、今回はどんな不思議事件なんですか?」
「ほう、なぜ事件だと思うんだい?」

レイトンとは一度も事件が起きたとは言っていない。
それなのにレミはあたかもそうであるかのような口ぶりだった。
彼女は自分なりの考えをレイトンに提示する。

「だって、教授がそんなに急いで目的地に向かっているわけですから、きっと大変なことが起こったんですよね」
「……なかなか勘がするどい」

見た目とは裏腹に頭の回転が速いレミには、声を潜めた。
人は見た目ではないと言うことを体現したような気分だ。
レイトンも同じだったらしくレミに手紙を差し出した。

「読んでごらん。私宛に今日届いた手紙だ」

手紙の内容はこうだ。

【頼もしき私の友人レイトンよ。これは
優れた君の才能を見込んでの頼みだ。
決して冗談ではない。落ち着いて聞い
て欲しい。実は町に謎の巨人が現れて
暗い夜霧の中で建物を破壊するという
大事件が起きている。君ならばきっと
最悪の事態を食い止められるだろう。
今は自宅で君の到着を待っているよ】

「これ!巨人が町を壊しているって……本当でしょうか⁉」
「確かに内容は突飛で信じ難いものだ。しかし私が興味深いと感じているのは、この手紙に込められたもうひとつのメッセージなんだ」
「えっ…?もうひとつのメッセージ?」

手紙を凝視するレミ。
レイトンとはミラー越しに彼女のその姿をみて微笑んだ。
時間にして5分くらいだろうか。
いや、3分といったところだろう。
レミは「わかりました!」と声をあげた。

「教授!文章の一番左の列を縦に読んでいくんですね」
「そのとおり、なかなかやるね」
「躓くと思ったのになぁ」
「お二人に褒められるなんてちょっと嬉しいです」




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