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追憶【レイトン教授】

第10章 【魔人の笛】第六章――神に選ばれし男――







魔人、黄金宮、神の目を持つ男、アランバード氏の死に遺書、クラークさんの態度……。
レイトンさんが誰かが裏で糸を引いていると言っていたけど、たぶんほぼそうだろうけど、一体何が目的なんだ。
ユラ達が何か隠していることと関係があるとしたとしても、やっていることが遠回り過ぎる。
そもそも魔人の正体もわかってないけど、なんとなく。
なんとなく神の目を持つ男とやらが絡んでいるような気もしなくもないけど。
それよりもクラークさんだ。
なんで黙ってたんだろう。
目撃者だってこと、教えてくれてもよかったのに。
魔人のこともだ。
ここに来るまで、自分もレミも、レイトンさんでさえ魔人の事は知らなかった。
どこかで情報制限されている可能性もあると言うことになる。
そんなことできる人は果たしているのか。
もし人ではなく組織だとしたら……。

「あーーー……」

うまく考えがまとまらず、髪の毛をぐしゃぐしゃと掻きむしる。

煙草吸ってる時に考え事しちゃだめだな。
余計頭痛くなってくる。

肺に送り込んだ煙をゆっくりと吐き出す。
ゆらゆら揺れて風に舞うそれを見つめていると、上からルークが覗き込んだ。

「煙草吸ってるから近づかない。副流煙も危険なんだぞ」
「レイトンさんがミストハレリ警察署に行くと言っているので、呼びに来ました」
「あ、そうなの。ありがとう」

よっこらしょと声を出しながら立ち上がる。
丸まった背中を伸ばし、歩き出すと同時に図書館の扉が開いた。

「考えはまとまったかな」
「まったく。でも一つ思うのは、この魔人事件はどこかで情報制限がされていると思うんです。それをしているのか人なのか組織なのかはわかりませんが」
「そうだね。この事件記録に書かれたことが事実か確認しに行こう」
「はい」

どうやらレイトンもまだ考えがまとまっていないようだ。
ピースは集まっているが、それを繋げる「何か」がまだ見つかっていない。
もしそれが見つかればあとは芋づる式にナゾは解明されていくだろう。




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