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追憶【レイトン教授】

第6章 【魔人の笛】第三章――魔人が出た――






「よかった、無事だったんだね」
「すみません、魔人を追いかけたのですが見失いました」
「そのようだね」
「少し気になったことがあるんです」
「奇遇だね、私もだよ。君の見解を聞きたいから一度ホテルに戻ろう」

どうやらレイトンはを探しながらも情報収集は欠かさなかったようで、が気付いたことを照らし合わせるためにホテルへと戻ることにした。
ホテルに戻りながらもは何かないかときょろきょろ辺りを見渡すが、これといってなさそうだった。
魔人が現れたと言うのに手がかりが何も得られなかったことに、眉を寄せるがホテルへと戻り、明日の行動を話して一変した。

彼らが泊っていた302号室は破壊され使える状況ではなかったため、隣の部屋である301号室へと案内された。
その部屋も302号室同様、広く大きな部屋だった。

ソファに腰かけるレイトンに紅茶を淹れながら、は気が付いたことをレイトンに話す。

大きな影にも関わらず、見失ってしまったこと。
巨人の足跡がどこにもなかったこと。
笛の音がいろんな方向から響いているような気がすること。
それらをレイトンに話すと、彼も彼女の意見と同じだったらしく首を縦に振った。

「巨人が通った道がかすかに濡れていたいたことに気が付いたかな」
「……それは気が付きませんでした。なるほど、ここは水路がたくさんあるから、水路に隠れた可能性もあると……」
「それだけじゃない。魔人が現れたとき、何か奇妙なうなりが混じっていた」
「………」

やレミ、ルークにはそんなうなりは聞こえなかった。
レイトンにだけは聞こえたそのうなりはなんなのか。
考えても結論は出ない。
情報が少なすぎるのだ。

「少し引っかかることがあるんすよ、自分」
「なんだい?」

髪の毛を乱暴に掻き、息を吐くは魔人伝説の話を思い出していた。

「クラークさんが言ってた魔人伝説だと、魔人は町に危険が迫ったとき、外敵を撃退するために現れる。でもそうじゃなかった……」
「それは……、伝説にはまだ続きがあるんです」




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