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追憶【レイトン教授】

第6章 【魔人の笛】第三章――魔人が出た――






目線を合わせるためにしゃがみ込み、少年の肩に手を置くレイトンは優しく話しかける。

「ルーク、君だって本当のことを知りたいはずだ。違うかい?」

レイトンに言葉は正しかった。
だが少年にとって"本当のこと"を知るのは怖くて、逃げ出したくて。
今までそうやって目を反らしてきた。
"真実"を知ってしまったら少年は一体どうすればいいのかわからなかった。
そうなってしまった最期を想像などしたくなかった。
だけど、今目の前にいる父の旧友であるその人はまっすぐに見つめている。

「現実から逃げていたら真実へは辿り着けない」

彼の瞳は多くは語らなかったが、彼もまた"何かの真実"を追い求めてるのだとわかった。
ルークは以上に聡い子だった。
ずっと部屋で本を読んでいたのもあったのだろうが、もともとの教育がよかったのだろう。
レイトンの奥底にある何かを、レイトンが追いかける"真実"を自分もこの目で確かめなくてはと、そう思った。
だからこそ、恐怖はまだ残っているがその恐怖を克服しようと決心した。

「さんが心配です。追いかけましょう」
「……無事だといいんですけど」
「そうだね。急ごう」










その頃、はというと。
魔人を追いかけいたものの見失ってしまった。
あんな大きな影だと言うのになぜ見失ったのか。

「どういうことだ……」

額から零れる汗を拭って、息を整える。

「また、笛の音……!!」

どこから聞こえるのかわからない笛の音に再び走り出す。
誰かが笛の音を奏でているとわかっているのに、その人物の姿も見当たらない。
巨人も見失うという失態に軽く舌打ちをする。
もともと体力のないは既に肩で息をしている。

そして地面を見つめ、あることに気が付いた。

「足跡が……ない」

は自分が走ってきた道を振り返る。
そのどこにも巨人の足跡らしきものは見つからなかった。
一体どういう事なのか。
そしてまた笛の音が鳴り響く。

「………」

耳を澄まして聞いてみると妙な響き方をしていることに気が付いた。
いろんな方向から笛の音が響いている。
これでは発生源が掴めるはずもなく、途方に暮れるの後ろから彼女を呼ぶ声がした。

振り返ると、心配そうな表情で走ってくる3つの影がそこにあった。


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