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追憶【レイトン教授】

第6章 【魔人の笛】第三章――魔人が出た――






お腹いっぱいになるまで食事を楽しんだルークとレミは満足そうに、最後の紅茶の一滴を飲み干した。

「会計してくるので、外で待っていてください」
「私が出します!結構食べたので……」
「平気だよレミ。予算内に収まってるし、あんたらの食べっぷりは見てて気持ちよかったからね」
「……さんって、なんか教授とは違った魅力ありますよね」
「……え、うーん。素直に喜んでいいのかなぁ」

レミの言葉になんとも言えない気持ちになる。
嬉しいけれどどこか複雑な気持ちだ。
はお釣りを受け取り、外で待っている二人の元へと駆け寄る。
全員いることを確認し、4人は2番街へと歩き出した。

2番街1番街と順調に回っていくレイトンたちだったが、猫を見つけたルークがそちらに気を取られ、レイトンたちから離れてしまった。
子供らしい一面を見てホッとするが、このまま夜になってはルークが危ないため、追いかけることにした。
しかし大人と子供。
足の速さと体力に勝てる訳もなく、息切れをしながら走り回る事数十分。
森の奥にある小さな建物でルークを見つけた。

「、大丈夫かい?」
「はぁ…はぁ……。れ、レイトンさん。自分、決めました……」

肩で大きく息をしているを心配してレイトンは声をかけるが、今にも倒れそうな彼女は膝に手をついて真剣な眼差しでレイトンを見つめる。

「煙草、やめます……!!」
「ははは。やめれた試しがあったかい?」
「ひ、ひどい……。ゲホッ、本当に苦しい……」
「君は格闘には強いけど体力はないからね。今度一緒にジョギングでもしようか」
「冗談。大学でレイトンさんと走ってたら生徒に笑われるのがオチですよ」
「…………」

辛辣な答えにレイトンはシルクハットの鍔を掴み顔を隠した。
彼女のせき込む様子を見てルークは申し訳ない気持ちになると同時に、体力だけは意地でも落とさないようにと心に決めた。



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