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追憶【レイトン教授】

第6章 【魔人の笛】第三章――魔人が出た――







少しの休憩を挟んだ後、レイトンたちは再び調査へと戻る。
エリーノース地区の案内をルークに頼み、ホテルを後にした。
土地勘のないレイトンたちはとりあえずエリーノースを散策することに。
今彼らがいる場所は3番街のホテル前。
効率よく地区全体を見て回るとなると2番街1番街と回った方がいいとルークは言う。

「あれってレストラン?」
「そうです。ここのレストランの料理はかなりおいしいんですよ!」

2番街へ向かう中、ひっそりと建つレストランを見つけるに、ルークの声は少しだけ高くなった。
あまり笑みを零さなかったルークだったが、この瞬間は笑みが絶えない。

「レイトンさん、少し寄りますか?」
「そうだね。昼食を食べていなかったし」
「なによりこの二人ですよね」

レイトンとの目に映るのは、外に立てかけてある看板のメニューを見て、よだれを垂らしているレミとルークの姿。
どうやらレミも食欲が旺盛なようだ。
中へ入ると、いい匂いが4人の鼻を霞める。
店のオーナーであるパディが席へと案内し、本日のおすすめらしいメニューを進めてくる。
焼きたてふかふかのパンにカリカリのベーコンととろとろ卵のセット。
パンに切れ目を入れてバターと野菜を挟んで食べるのがおすすめのようだ。
聞いているだけで腹の虫が騒ぎ立てる。

「ゆっくり食べていっておくれ。パンのおかわりは自由だよ!」

目の前に並ぶ料理に、きらきらと目を輝かせる。

「追加で紅茶4つお願いします」
「はいよ」

運ばれたティーセットにゆっくりと紅茶を淹れる。
手慣れた手つきに見惚れるルークに軽く微笑んだ。

「ルークはお砂糖いる?」
「え、あ、はい!」
「熱いからね、気を付けるんだよ」
「ありがとうございます」

優雅なひと時。
嵐の前の静けさとでもいうべきだろうか。
きっとこのゆっくりとした穏やかな時間こそが、本来のミストハレリという町なのかもしれないと、紅茶を啜りながらは思った。




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