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追憶【レイトン教授】

第5章 【魔人の笛】第二章――世界の終わりを予言する少年――







「教授、どうしてわかるんですか?」
「クラークはタイプするよりも手書きが好きだった。しかし、この手紙はタイプされたものだ。そして、クラークと私の関係を知ることができるのは、クラーク本人から昔話を聞けるような深い仲の人物」
「あなたが、レイトン教授?」

全て言い当てられてしまった少年、ルークは彼にそう尋ねる。
少しの違和感やヒントでここまで見抜ける観察眼と洞察力に、ルークはこの人になら相談できるかもしれないと思い、口を開く掛けた時、部屋の中に父親であるクラークが入ってきた。
どうやら彼らの話を部屋の外から聞いていたようだ。
その瞬間、ルークは警戒するように父親を睨みつける。

「無断でこんな手紙を出すとは、いったいどういうつもりだ?」

父親の問いかけに一言も言わず、ルークは背中を向ける。
その態度に、トライトンはさらに言葉を強くする。

「そうやってまた無視をするのか?」
「クラーク……」

レイトンに名前を呼ばれ、客人の前であることを思い出す。
恥ずかしい所を見られ少しだけ居心地が悪くなるも、なぜルークがこうなってしまったかを教えてくれた。

「ルークは、魔人が現れ始めた半年ほど前からほとんどしゃべらなくなったんだ。そのうえ……」
「もうすぐ……」

トライトンの言葉を遮り、ルークは口を開いた。
そこから発せられた言葉は耳を疑うものだった。

「世界は終わるんだ」

嘘でもふざけた感じでもない。
本当にそうだと真剣な表情でルークは言った。

「世界が終わる……。どういうことだい?」

しかしそれ以上ルークは何も話さなかった。
トライトン曰く、たまに口を開けば今のようにわけのわからないことを口走ると言う。
まるで予言めいた馬鹿げたことを。

その後、トライトンは仕事があると言い書斎へと戻って行った。
話を聞こうにも口を開いてくれないのでは意味がない。
まずは信用してもらうことが優先なのかもしれないと考えるの前にドーランドが現れた。

「ルーク様、そろそろお休みの時間です」
「えっ!?」
「まだ話の途中ですけど。それに、まだ夕方なのに眠るんですか」
「時間ですから……」
「待ってください。ひとつ聞きたいことがあります」

このまま話の腰を折られては困る。
強引ではあるがレイトンはドーランドに質問をぶつけた。





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