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追憶【レイトン教授】

第5章 【魔人の笛】第二章――世界の終わりを予言する少年――






「町が魔人に壊されていながら、まだひとりの犠牲者も出ていません。魔人の出現を予言する謎の人物が住人を避難させているそうですね。そして……、その予言者こそが、ルークなのではありませんか?」

レイトンの言葉にドーランドは明らかに動揺を示した。
すかさずレイトンはルークに視線を移す。

「答えてくれ、ルーク。魔人はいつ現れるんだい?」
「ルーク様はお答えになりません。お引き取りください」
「今夜です……」

ぼそりと小さな声が聞こえた。
少年はまっすぐにレイトンを見つめている。

「魔人が次に現れるのは……今夜です」
「えええっ!?」
「嘘だろ……」
「今夜……」

まさか今夜魔人が現れるとは思っていなかった3人は驚きの声を隠せずにいた。
ルークはそんな彼らに続けて言葉を放つ。

「そんなに魔人のことを知りたいならボクが連れて行ってあげます。今夜、魔人が現れる場所に」

願ってもいない申し出だった。
彼等にはどこに魔人が現れるのか見当もつかないからこそ、ルークの申し出は、ありがたいものだった。
制止に入るドーランドにルークはトライトンには内緒にするようにという。
父親のことを信用していないのだと、は少しだけ悲しくなってしまった。

ルークの予言を住人たちに伝言しているのはドーランドの役目のようで、念のためもう一度様子を見てくると言う。
ドーランドのいなくなった部屋でルークにどこに魔人が出るのかを問うと、エリーノース3番街らしい。

「では、そこに向かってみよう。魔人を止められるかもしれない」

こうしてルークを加えたレイトン一行は早速、エリーノース3番街へと行くのだった。

・ルークの予言。
部屋から出た様子もないのに、なぜ魔人が現れることを予言できるのだろうか。

メモ帳を取り出し、は疑問に思ったことを書き記した。
静かにそれを閉じ、懐へしまうと少し先を行くレイトンたちの後ろに着いて歩くように、子供部屋をあとにした。



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