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追憶【レイトン教授】

第4章 【魔人の笛】第一章――霧の町ミストハレリ――






「ぼくのおうちはエリーノースってところにあるんだけど、ママと一緒にここまで逃げてきたんだ」
「逃げてきた?何かあったの?」
「預言者の人が危ないから逃げなさいって言ったんだって」

少年の言葉に疑問を抱く3人。
少年も深い事は知らないらしいが、預言者のおかげで助かっていると言う。
手紙に書かれていた巨人となにか関係があるのかもしれないと思い、トライトンの家に行く前に少しだけ調査をすることにした。

「じゃあね、チャーリー君」
「え?どうして僕の名前知ってるの?」
「さぁ、どうしてかな」

少年、チャーリーとの別れ際は彼の名前を呼んだ。
自分の名前を名乗った覚えのない彼は驚きのあまり目を見開く。
その様子がかわいらしく、は自分の服の裾を少しだけつまんで見せた。
少年の服の裾には、彼の名前が刺繍してあったのだ。

「じゃあ」

軽くウィンクをして、は少し先を行くレイトンたちを追いかけた。
少年、チャーリーはしばらくその場を動くことができずにいたのであった。

「かわいいですね、子供って。素直だから何考えてるかすぐにわかる」
「またからかっていたのかい?」
「からかうなんてそんな。遊んでいただけですよ」
「それをからかうっていうんじゃないんですか」

の言葉に半ばあきれるレミ。
だけど、彼女の観察眼はとても鋭い。
もしかしたらレイトンよりも。
そう言う意味でもレイトンは彼女のことを信頼しているのだ。

ふたごつり橋に向かっている最中、一人の警察官とすれ違った。
彼は何やら独り言を言っているようで、よく聞くと寝坊をして交代の時間に遅れているようだった。
それにしては、のろのろと歩いていたりあくびをたまにしていたりするところをみると、真面目ではないことがうかがえる。
すると、警察官はレイトンたちの存在に気づいたらしい。

「本当は旅行者を入れるなって言われているんだけど、寝坊の事黙っててくれるなら特別に通してあげるよ」
「ええ、誰にも言いません。安心してください」
「ああ、よかった。これから町の入口に行かなきゃいけないんだよね」

そう言って警察官はまたあくびをして入り口のほうへ歩いて行った。

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