第4章 【魔人の笛】第一章――霧の町ミストハレリ――
ミストハレリの町の入口に車を止めるレイトン。
この町は霧が深い町として有名なようだ。
霧が出たこの町は幻想的で美しいと評されている。
しかし、3人の目に映るミストハレリは美しい光景とは言えないものであり、むしろ少し不気味であった。
町に続く橋の下には大きな川が流れている。
よく観察をしてみると、町中に流れている水が川となっているらしい。
つまり水路の町というべきだろうか。
「レイトンさん、上の方に見える屋敷はもしかしてクラークさんのお宅でしょうか」
の指さす方向には、ここからでもわかる大きな屋敷が見えた。
町とは少し離れた高い場所にそれはあった。
「さぁ、どうだろうね。せっかくだからきれいな町並みを楽しみながら散策するとしよう」
「そうですね。聞き込みしなきゃですし」
「はい!」
3人は橋を渡り町の中へ向かっていく。
橋を渡ると、看板が見えてきた。
どうやら今彼らがいるこの場所はグランブリッジ通りのようだ。
周りを見てみると、少し離れた場所にふわふわの髪の毛をした少年が3人の姿を見つけたらしく、軽い足取りで近づいてくる。
「おじちゃんたち、旅行で来たの?よく町の中に入れたね」
「お、おじちゃん⁉教授はまだおじちゃんって歳じゃ……」
「まあまあ、レミ。君、トライトンさんの家がどこにあるか知っているかい?」
レイトンはレミをなだめ、優しく少年に話しかける。
少年は、少し考えた後自分の出すナゾに答えることができたら教えてあげてもいいと条件を出してきた。
レイトンは快くうなづき、少年の出したナゾをいとも簡単に解いてしまった。
あまりの速さに少年は歓喜の声をあげる。
「すごーい!おじちゃんナゾトキ得意なんだ」
「ふふ、まあね。それじゃあ、トライトンさんの家がどこにあるか教えてくれるね」
少年は元気にうなづき、クラークの家までの道のりを教えてくれた。
はその道のりをメモに書き写す。
グランブリッジ通りの先にあるふたごつり橋を渡って十字路を左に曲がった先にトライトン邸があるようだ。