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追憶【レイトン教授】

第4章 【魔人の笛】第一章――霧の町ミストハレリ――






先ほどの少年チャーリーや警察官が言った、「旅行者を入れるな」とはいったいどういう事なのだろうか。
聞き込みをすればいずれ解ることかもしれない。
はそっとメモにそれを記した。

3人はふたごつり橋を慎重に渡っていく。
年季の入っているつり橋は、頼りなく見えてしまう。
そのためか3人の足取りはゆっくりとしたものだった。

橋を渡り終えた彼らの目に映ったのは信じられない光景に言葉を失った。
歩道は抉れ、建っていた家や街頭などは無残にも崩壊していた。

「……手紙に書いてあった巨人の仕業ですかね」
「見逃せませんね」

レミはそう言ってカメラを取り出し数枚シャッターを切る。
もしこれが本当に巨人の仕業だとしたらミストハレリは危機的状況にあると判断したレイトンは、急いでトライトン邸へと向かうことにした。

その途中、壊れた家屋の一つに不思議な印が刻まれているのに気がつく。

「これは一体何の印でしょうか……」
「何か意味のあるものかもしれないね」

まるで碇型のような、逆さまから見ると棒人間が万歳をしているような、なんとも不思議な印が刻まれていた。
そんな3人の元へ、一人の男性が笑いながら近づいてきた。

「あっはっは!それは"魔女の印"ってやつさ」

突然の声に肩を震わせるとレミ。
男性、ブロッコはそれが面白かったのかまた大きな声で笑いだした。

「いやー、参っちゃったよね。昔の地主さんの悪口言ってたら家がこんなことになっちゃったよ」
「ここはあなたのお宅なんですか?」
「そうそう。その印が描かれてから、窓を全部かち割られた挙句に踏み潰された、その家の主人です。あっはっは!これが本当の踏んだり蹴ったりって言うのかな。踏まれて壊されただけにね。あっはっは!オレうまい!」

お腹を抱えて笑うブロッコ。
3人はいたたまれない気持ちになってしまった。
笑えない、なんて心中で思いながらも聞き込みを続ける。

ブロッコのいった魔女の印であったり、町を破壊している巨人がいたりとこの町は大丈夫なのだろうかと心配になってしまう。
だからこそ、この不可解な事件を解決しなければという思いも強くなっていく。



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