第2章 【態度】
「あ、あの!…もし良かったら今度一緒に食事でも……」
『…あー、それは……どうですかね?』
扉を開けば、すぐ横にカウンターがある。そこに座ってるの隣に行き、肩を抱き寄せる。そして男に一言。
「悪ィがこの女は俺のものでな。殺されたくなかったら、さっさと失せることだ…」
「…ひっ……!!」
少しばかりの怒気を含めた、いつもの笑みでそう言えば男は縮こまって慌てて店から出て行った。
その一連の流れを見ていた彼女は『…あれほど出てくるなと言った筈ですが?』「アァ?お前が知らねェ男に絆されてるから、俺が虫除けしたんだろうが」『誰も虫除けしてくれ、なんて言ってませんけど』
確かに約束を破ったのは悪いが、もう少し自分が俺にどれだけ想われてるか分からせねェと行けねェ様だな……。彼女にとってはいつもの態度だ。俺だっていつもならそのまま流してたさ。けど、今は違う。俺の言いたいことを理解出来ていないに教えてやる必要がある。こっちは心配しているというのに…。
その後は、19時までは手を出さずに大人しく待った。営業中に部屋へ連れ込むと彼女の視線が如何なものかという事だけでも想像したら背筋が凍りつく。なのでの横に座り、来る客にガンを飛ばしたりした。その度に足を踏まれるので、背中を丸めて痛みに耐えたりなどをしていたので来客達からは変な目で見られた。
そして今日の営業時間の終了を迎えた時。店の方の扉の鍵を閉めて奥の部屋へ戻るに着いていく。俺は最近、彼女の部屋に泊まりに来ている。両想いになる日の前からもよく泊まりに来ていた。の口からは『今日も泊まるんですか?』という、この台詞はもう毎日聞いている。俺は決まって「ああ」と答える。そして『…食費代は後で貰いますからね』この彼女の台詞も一連の流れだ。「お前にならいくらでも貢いでやる」この台詞も一連の流れ。
台所で夕食の支度をし出す彼女の後ろ姿を見て、今日の事を思い出していた。早いところベッドまで持ち込みたいところだが、飯はちゃんと食わねェとな。