第2章 とりかえばや生活になれましょう。
「なんなんだ、これは…」
早朝、本田家にやってきたルートさんは家の中を見て絶句。
「家の中でハリケーンでも起きたのか?」
「いえ、台風です」
昨日の一件でシラフの私が暴れまわった結果、家の中が被災地だった。
「いたたたたた…なんか体中痛いぞ、悪酔いしたのか俺」
「あははは、ひ弱だな、アーサー。それにしてもなんか頭からトマトケチャップ出てるよ」
茶の間から例の二人の声がした。
私は一睡もしていないせいか、声を聞くだけでイライラしてしまう。
「村崎…、俺の空耳かもしれんが、なんかすごく聞き覚えのある声がした気がするのだが」
「いえ、空耳じゃないです。奴らです」
「ええ!?…それって、お前…」
「好きで泊めたんじゃないですよ…ルートさんにもSOSをテレパシーしたのに、全然察知してくれないんですもん!大事な時に頼りになりません!」
「おいおい、とばっちりだな…まあその分ならばれてないみたいだし…」
ルートさんは大きくため息をついて玄関に腰を下ろした。
すると、後ろから低い声。
「『ばれてない』?…何の話だ、ルートヴィッヒ」
「…お前には関係な…うわぁぁぁぁぁ!!!!???」
アーサーさんの声で振り返ったルートさんは、惨状アーサーに思わず悲鳴を上げた。
「血だァ☆」
そして、遅れてやってきたフェリシアーノさんが、あまりの刺激に気絶した。