第11章 遊園地に行くのだ!!編
ガシャーン!
私たちは、通行書を持っておらず、「そんなもんない」と答えると、なぜか知らんが王宮の地下の牢獄に入れられてしまった。
「俺は無実だぁぁ!!」
フランシスさんは鉄格子をガシャガシャやりながら叫んだ。そして、
「…って言うんだろ?」
とにやにや笑いながら振り向いた。
「なんの真似か全然わからねえよ」
と、アーサーさんに突っ込まれる。
「牢獄に入れられたら、この台詞を言うのが礼儀みたいなもんだ」
あくまで軽く笑ってみせるフランシスさん。
「お前のがお似合いだぜこの役は」
「なんでだよ!!」
うん…。確かに…アーサーさんの『俺は無実だぁぁ!!』がみたい気がしちゃう。
「フランシスさん、落ち着きませんか?」
なんとなく、いつもと様子が違う気がして、私はそれとなくフランシスさんに聞いた。
すると、少し苦笑して、
「こういう場所…苦手なだけさ…
…お互いに。男の無理は見ないようにするのが礼儀だろ?」
と、肩をすくめた。
そ、そういうもんなのか…なんか悪いことしちゃったな…。
「…でも。悪い気はしないね。菊ちゃんに心配してもらえると」
そう言って、フランシスさんは私の近くに座った。
…もちろん、アーサーさんに『お前近すぎだろ!!』と突っ込まれていたけど。
なんか少し…フランシスさんって心配だな…