第7章 虎穴のワルツ編
その間にも縄を持った二人は、縄に輪を作り、じりじりと親分に近づいていた。
「いまだ!」
どちらが言ったのかわからない、その言葉を合図に一斉に縄を投げた。
少し大きめに結んだ輪っかは親分の体にかかり、それと同時に二人は縄を引いた。二人分の体重をかけたそれは、親分の自由を奪うには十分だった。振り下ろさんとしていたのとは逆方向に引き倒された。
それを待ってたと言わんばかりにギルベルトさんは、暴れる親分に飛び掛り、盾で押さえつける。
ここにきて、私も我に返り、先ほどの倉庫から縄を持ってきた。
「ギルベルトさん、これ!」
「ああ!」
それをギルベルトさんに渡し、親分の捕縛成功です。
「この凶悪な酔っ払いはここに置いて先に進むぞ」
ぐるぐる巻きにされてもなお暴れる親分はそこに置いて、私たちは先に進むことにした。
ピアノの音は近づいている。