第7章 虎穴のワルツ編
「げ!どこまで酔ってんだコイツ!ふざけんなしww」
「お前なんとかしろ!」
急いで扉を開けると、すでに二人は親分に襲われていた。
しかし当の二人はいつものこと、とでも言わんばかりに異変には気づいていない様子。
「ここは人海戦術で捕縛しましょう」
ローデさんは先ほどの部屋でゲットしたロープを二本取り出し、一本をフランシスさんに投げて渡した。
「さーて、ギルベルトちゃん。よーくひきつけといて、ちょうだいね!」
「なるべく早くしろよ!」
と、返事をしたギルベルトちゃんの取り出したのは、玄関ホールにあった鎧の持っていた盾。
ゆっくりとした足取りの割には、すばやい身のこなしで振り下ろされる斧を受け止める。
激しく金属と金属のぶつかり合う音が廊下に響き渡る。
ギルベルトさんは、少し押されているようで、冗談を言う余裕もないようだ。次々に繰り出される攻撃をなんとか防いでいる。
私はその迫力に、ただただぼんやりと見ていることしかできなかった。