第7章 虎穴のワルツ編
分からないよ、分かりたくない。
本田さん、あなたはこんな時、どうするのですか…?
ローデさんは私の手をゆっくりと放すと、ドアのすぐ隣にぴったりと体をくっつけた。
かつ、かつ
千鳥足の親分の足音が迷うことなくこの部屋に向かってくる。
ローデさんはレイピアの柄に手をかけ少し身を低くした。
私はただその様子を固唾をのんで見守ることしかできない。
恐怖、不安、敗北感。
それに支配されてしまって、一歩もその場を動くことができなかった。
ガツン
強い衝撃がドアを襲ったかと思うと、ドアノブ辺りから斧の刃が顔を出した。
鍵が壊されるのも時間の問題だ。
どうしよう…助けて。
だれか。ローデさんを助けて…
バッシュさん…