第7章 虎穴のワルツ編
「ローデさん、その…『奴』は演奏し始めて、どれくらい経つんですか?その曲はどれくらいで演奏が終わるんですか?」
「…それを聞いてどうするのですか?」
「奴を止めるんです。
だって、演奏が終わらない限り危険はないでしょ?」
本当は訳の分らぬ事態に恐怖しか湧いてこないけれど、私だって異世界から異端児だもの!こんなん、屁の河童っすよ!
意味のわからないことでちょっと強がって鼻息荒くそう言ってみた。
「・・・あなたは、立派な方ですね」
ローデさんは素敵な笑顔を浮かべて、しみじみと言った。
じーーーん。
は・初めてローデさんに褒められちゃった。やべえ空も飛べそう。あなたが飛べというのなら(以下略)
「任してください…!必ずや!」
なんか燃えてきちゃったYO。
そして、私は心配そうに見ているギルベルトさんににやりと笑った。
(ちょ、俺いやだ)
(あなたはそれでも男ですか!あなた昔はそんなんじゃなかった!肩で風を切って、ぶいぶい言わせてたじゃない!)
(お前は誰なんだよ!!!?)
そんな内緒話をしていると、突如勢いよく手を挙げた男がいた。
「あ、親分行くで」
「「「え?」」」
一斉に振り向くと素晴らしい笑顔で親指を突き出してきた。
「菊ちゃん一人にええ姿させられへんよ。親分に任しとき!」
お。おおおお親分!あんたやっぱ親分だよ。こういう時はやっぱあんた親分だよ。