第2章 とりかえばや生活になれましょう。
そんなこんなで会議は延長に延長を重ねた。
そして帰り道。
ルートさん、フェリシアーノさん、私で並んで歩く。
私だけ方向違うんだが、少し遠まわりをして帰ることにした。
…というかルートさんと内緒話がしたいんだが、フェリさん空気嫁ー。
「結局あまり進みませんでしたね」
「まぁ会議なんてこんなもんだぞ、いろんなとこから人が集まればこうなるだろ」
ルートさんはどうやら話し足りないようだ。…私なんか本田さんの指令通り、「そうですね」とか「善処します」とか「なるほど」しか話してないけど、もう会議はお腹いっぱいだ。
「ねぇ、そういえば今日、なんかルートと菊仲いいよね」
「そ、そうか?」
「そ、そうでもないですよね、アハハ」
私とルートさんは目を合わせて乾いた声で笑う。
(もうこの際フェリさんに言っちゃっていいんじゃないんですか?私も相談相手が多いと心強いし!)
小声で私はルートさんに言う。
(いやいやいや。やめておいたほうがいい!だってフェリシアーノだぞ、フェリシアーノだもの!ポロっとなんか言ってしまう可能性大だ!正体ばれたらもう会議とか出られないぞ!)
(うぐっ)
アハハハハ…
その日の夕方は、風に乗って遠くまで乾いた笑いが響き渡ったという。