第6章 長期滞在になってまいりました。
「そ、そうか。すまない」
頼りにならなくて、と非常に申し訳なさそうに謝られた。
いや、ルートさんのせいじゃないし。
「いいえ…ルートさんも、気苦労が絶えませんね。せめて私のことは気になさらないでください。ここの生活に慣れてきましたんで」
「ありがとう、本田…」
「いえ、村崎ですから」
そこで名前を間違えないでー!
でも、ルートさんにはあまり強気に出られない不思議。べ、別に怖いとかじゃないんだからな!(アーサーさん風)
ルートさんが何か言おうと口を開いた瞬間。
軒先で大音響が響き渡った。
ジャジャーーーーン!!!
「俺さま参上!」
ラジカセ片手に不憫参上。
「兄さん!電池が必要って、ラジカセに使うためだったのか!またそういうことに使って!」
「うるさいぞ、ルッツ!これは必要悪なのだ!」
悪ってなんなんだ。悪って。
「そ…そうなのか!!!?」
なぜかショックを受けているルートさん。少し、疑うことを知ったほうがいいと思う。
案の定ギルベルトさんはにやりとした。
この言い訳…使える!
あんた、その顔じゃぁ何を思っているのか、手に取るようにわかるよ。