第4章 徐々に人脈が増えている件。
「ひ、一人楽しすギルぜー。…ルッツにでも聞いてみるか?」
でも、よく考えたら、弟に「びょうにんに なにすればいいの?」てメールするの、なんか恥ずかしくね?
「…確実に恥ずかしいです。」
またしても独り言を言いながら、考えた。
(あ、少し暑そうだな)
そう思って布団をまくってやった。
少しすると寒そうにした。
俺は急いで布団をかけた。
そしたらまた暑そうにしたので、俺は布団をまくってやった。
少しすると寒そうにした。×20
「っておい!俺にどうしろっていうんだーーーー!!どうせ俺はルッツみたいに器用じゃねえし!」
布団をばさばさしていると、本田が眉間に皺を寄せたので、元に戻しておいた。
(汗でも拭いてやるかな)
「なんだかなー…この借りは100倍にして返してもらわないとな」
文句を言いながらもちゃんと汗を拭く俺様。別に楽しくないけど!
人の世話なんて、何年振りだろう。ルッツがでかくなってからは確実にやってない。
「あ、着替えとか…させりゃいいんじゃん」
そう思ってタンスを漁ってみたが、どれも一枚の布だった。
「原始人みたいにしちゃっていいのか?」
肩に掛けたり、下半身だけにしちゃって。
それも楽しすギルが、そんなことして風邪がひどくなったらさすがの俺様も責任を感じる。
一度自分で着た後、本田に着せてみることにした。
「これが…こうなって…こうか?
あれ、なんかちがくね?あれ…」
そんなこんなで三十分浪費した。
「…俺様、何しにきたんだっけ。目的を思い出せ!俺!着物の正しい着方をマスターしに来たわけじゃねぇーーー!!」
あまりの自分のふがいなさに打ちひしがれた9月。