第3章 とりかえばやがばれないように行動しましょう。
バタン!
私はなんとかトイレまで辿り着くことができた。
大きくため息をついていると、休んでいる暇もなく誰かがトイレに入ってきた。
口笛を吹きながら用を足しているようだが、私はものすごくいたたまれない気持ちになった。
(覗きにきたみたい)
10分くらいたっただろうか。
そのトイレに隠れている間にも、何人もの人が用足しに来た。
さすがにここにはずっといられない。
私は意を決して、窓に手をかけた。
窓を少しだけ開けて外をみると、外に素っ裸のフェリシアーノさんが歌っているのが見えた。
他には誰もいない。
よし、ここから抜け出そう。
そう思って、窓の枠に足をかけた。
「え、菊?」
「あ、こ・こんにちは」
私に気づいたフェリシアーノさんが、驚いたように声をかけてきた。
「あ、駄目!菊、そこ…」
フェリシアーノさんの忠告を聞く前に、私は下に飛び降りた。