第11章 遊園地に行くのだ!!編
「うわぁぁ!広~い!」
海岸沿いをモノレールが走り、遊園地を一望できる。
せっかく景色がよく見えるので、一番よく見えるであろうドアの前に立っている。
「舟で移動するのか…。ヴェネチアみたいだな」
アーサーさんが私の肩越しに窓に手を着いてつぶやいた。
「……」
声が耳元で聞こえて、私は驚いて目だけでアーサーさんを見上げた。
「…!!…わ、悪い。近すぎたよな!!」
一瞬、間が空いた後、アーサーさんは少し離れた。
「いて!急に動くなよ。俺だって景色見てるんだぞ!」
そして、すぐ後ろにいたフランシスさんとぶつかった。
「お前はどうだっていいんだよ!」
「…今の完全にお前の言い方が悪いだろ」
フランシスさんは言い返そうとしたが、ローデさんの視線に気づき、だいぶ押さえた感じでそう言った。
その言葉に、さらに言い返そうとするアーサーに、ローデさんが言った。
「喧嘩をするなら他でやってください。…私だけで本田さんをエスコートしても文句はいいませんよね?」
と、優雅に私の腰に手を添える。
「「……」」
フランシスさんとアーサーさんはにらみ合いながらも、何も言わなかった。
「で、いつまで触ってるつもりなんだ?」
しばらく沈黙の流れる中、ぼんやりと景色を眺めていると、不意にアーサーさんの声が背後から聞こえた。
「あなたが反省するまでですかね?」
ローデさんがにっこり微笑みながら言った台詞に、アーサーさんが息を呑んだのが分かった。