第11章 遊園地に行くのだ!!編
「ローデさん、何見てるんですか?」
スマホを真剣に操作しているローデさんに声をかけた。
「…事前にどんな乗り物があるかチェックしてるんです。
時間があれば旅のしおりも作りたかったのですが」
ブホ!
ローデさんの台詞にフランシスさんが噴出す。
「きたねえな!」
反射的にアーサーさんが間合いを取る。
「た、旅のしおり…すごく懐かしい響き」
そう言って、フランシスさんは肩を震わせて笑う。
ローデさんは一瞬フランシスさんを睨んだ後、
「私はデートに誘うなら、それなりに準備はするタイプですね」
と言って再びスマホに視線を戻した。
「俺はいつでも直感勝負だなぁ。事前の準備どおりになんて行かないもんさ☆」
そう言ってフランシスさんは私にウィンクしてくる。
いや、知らんがな…巻き込まんといて…
私は思いっきりアイソ笑顔を浮かべておいた。
「お前、それでグダグダになったこと何回もあるだろ」
そのやりとりを見ていたアーサーさんが、ムッとした顔で言う。
「はぁ?なんでそんなこと知ってんだよ!お前俺のこと大好きだろ!?」
「はぁぁぁぁ???自意識過剰男何言っちゃってんだ!??風の噂で聞いたんだよ!てめえの素行の悪さは折り紙つきだってんだよ!」
「俺はいつだって紳士だろ!」
あ、ローデさんの額に青筋が…
チラッとローデさんを盗み見ると、いつも以上に眉間の皺が刻まれていた。
スマホをジャケットの内ポケットにしまうと、一度足を組み替え、低い声で言った。
「紳士は、公共の場で大声で話しませんよ」
ローデさんって…こんな低い声、出るんだね…。
それ以降、遊園地到着まで静かなものでした…。