第2章 1day
ラギーside
ラギー「レオナさーん、ユキさーん」
植物園の青々しい木々が故郷を思わせる。
ここはレオナさんにとってのお昼寝スポットで言わば縄張り。ここに入ることを許されているのは極僅かで、それがユキさんと俺ってわけ。
たく、こんな特別いやっスわ…
いつもここでは二人して寝ているので、わざと声を出して名前を呼んで起こしながら彼らの元へ向かう。
小さな抵抗だ…(虚しい…)
ユキ「ラギー?」
奥の方、多分いつもの場所で寝ていたユキさんが目を覚まし、俺の呼ぶ声に反応した。
俺は声の方まで行く。
やはり、日当たり最高でフカフカな草が敷かれているレオナさんのお気に入りの場所に二人して寝転がっていた。
ユキさんは起きようとしているようで、寝起きの目を少し擦りながら、そこに座った。
レオナさんはまだ寝息を立てている…それも、ユキさんの腕に自分の尻尾ぐるぐる巻きにして…
ラギー「おはよーございます、ユキさん。」
ユキ「ふわぁあ〜…ん゛〜…おはよー…」
まるで熟睡から目覚めた時のような起き方をしたユキさんの様子から嫌な予感がする…
ラギー「その起き方からするに、まさか二人して午前丸サボりってこと…ないっスよね…」
ユキ「わたしは二限の終わってから来たよ。レオナは来たらもう寝てた」
これは、予感的中か…ユキさんはまだ良い(良くない!)として、またも午前丸サボりのレオナさんはこの後の午後の授業はしっかりと出てもらわないといけない…
ラギー「はぁ…レオナさん!起きてくださーい!もう昼っスよー!」
レオナ「ん゛ん゛……ふ、ぁあ〜〜……んだよ、お前来てたのか」
ユキ「うん、暇だったから」
ラギー「レオナさん、また午前サボったっスね…」
レオナ「…同じこと聞いて意味ねえからな」
ラギー「たくも〜…次単位足りなかったらまた留年なんスよ!
ユキさんもっスからね!おれ、二人と同級生とかマジ勘弁っスからね…」