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鬼滅の刃  嫉妬

第1章 [煉獄杏寿郎]


「む、無理だ…!何を言っている、キイロイ!炎柱というもの、そんなこと出来ん!」
ふんっと、煉獄は顔を真っ赤にして、怒っている。ように見えるだけで。
匂いは嬉しさと恥ずかしさが混ざっているのをトリは知っている。
ぽかん、と、口を開けて煉獄の言葉を飲み込み、煉獄が発する言葉と匂いの違いの矛盾さをあはははっと大声を出してトリは笑った。

「な、何がおかしいんだ…馬鹿者…」
お腹を抱えて笑っているトリを見て本音を知られて馬鹿にされているんだろうな、なんと柱として、男として不甲斐ない…と、眉尻を下げる煉獄に更に笑うトリ。
「早く、杏寿郎さん、はーやーく。」
甘い言葉、表情、匂いが煉獄の鼻を擽る。
この庭に咲いている花の匂いでは無い事を知っている煉獄。
(ええい、逃げるな、男だろ、炎柱!)
パンっと両手で自身の両頬を叩いて喝を入れる。

ずかずかと、脚を進めごろんっとトリに背を向けるように横になる煉獄。

ふふっと、笑われてから、素直じゃないんだからーと、上からトリの甘い声が降り注ぐ。

そんな煉獄はふーーっと呼吸を落ち着かせる為に必死であった。
意中の相手の太腿を借りて、男がこの様に甘えて…
柔らかい、良い匂い……じゃなーい!と、1人、百面相をしている。
耳まで真っ赤にして悶えている煉獄の行動と匂いでまたくつくつ笑うトリ。
怒んないで、と、トリは優しくあやす様に煉獄のキラキラと光る髪を触り頭を撫でる。
子供扱いするなっと、手を払われそうになったけど、トリにたしなめられてしまう。
「折角2人なんだし、最近ゆっくりお話も出来ていなかったから、お話しましょう?」
わかった…と、頷く煉獄に対して良い子だーとぐりぐりと頭を撫でる。

あと、と、付け足してトリは
「トリ、と呼んで下さいね」
と、煉獄の耳元で囁き、ぼんっと煉獄が爆発した。
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