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Change the world【ツイステ】

第3章 気分屋フィクル!【フロイド】




みんなの憧れナイトレイブンカレッジ。

優秀な魔法士になるべくして設立された学び舎も、そう楽しいことばかりではない。
なにせここは、学生が優劣を競う戦場なのだから。

例えば授業。
学生たちは毎日様々な分野の授業を受け、日夜課題に取り組んでいる。

居眠りなんてもってのほか。
不真面目な態度を取ると成績に響き、留年の可能性すら出てくる。

私生活においても、寮暮らしの彼らは規則に縛られ続け、寮長から大目玉を食らって罰を受けることもしばしば。

そしてなにより生徒を苦しめるのが、学期の中間と期末に執り行われるテスト。

ナイトレイブンカレッジのテスト成績は順位制。
自分が全生徒の中で何番目に優れているのか目で見て確かめられる場であり、しのぎを削って争うイベント。

ここ最近、テストに向けてユウは夜遅くまで勉強をしている。
不遇というか、なんというか、ユウとグリムは二人でひとりの生徒であるはずが、テストは別々に受けなくてはならない。

「テストは個人競技です!」なんてクロウリーからありがたいお言葉をもらったようだが、なんとも不条理だ。

そんな可哀想なユウのために、ヒカルは寮の掃除や役割分担していた家事を請け負ったり、夜食を差し入れて応援をしたが、一方でグリムが努力をしている様子はない。

大魔法士になる!と喧しく言っているくせに、努力の類を嫌う気まぐれモンスターである。

元プレイヤーであるヒカルならば、ちょっと考えればこの先の未来になにが待ち受けているかがわかっただろう。
けれど、推しの観察に浮かれ、浮ついたヒカルの頭からは本編ストーリーという重要な情報が抜け落ちていた。


この迂闊さこそが、のちに厄介な生物の餌食になる原因だとは思いもせずに……。



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