第2章 撮影ホステージ!【レオナ】
女を無理やりに屈服させるような男は、クズだと思っていた。
女性は大事に、という教えをレオナは守っていたし、か細いヒカルに対しては、ことのほか気を遣っていた。
だが、今のレオナはどうだろう。
些細な発言に怒り、圧倒的体格差で押し倒し、欲望のままにヒカルを犯している。
昨日の寮生二人と、なにが違うというのか。
しかし、そんな冷静な考えは、目まぐるしい快楽と煽情的な嬌声によって掻き消される。
「んぁ……ッ、ふ……、んんッ」
激しい口づけから解放すると、ヒカルは再び親指を噛んだ。
その行為が声を殺すためと知っていて、それでもわざとヒカルから指を取り上げる。
「あ、やめ……ッ」
「我慢する必要なんかねぇだろ。ほら、存分に喘げよ!」
「ひ…ぐぅ……ッ、んや……、あ、聞こえちゃ……ッ」
見張り役の寮生は、もういない。
普通であれば、大声で喚かない限り他の寮生の部屋まで声は漏れないが、残念ながらレオナたちは普通の人間ではなく獣人だ。
発達した獣の耳は常人の何倍も優れていて、小さな音でもよく拾う。
そのため、ヒカルが少し大きな声で喘ぐだけで、彼らの部屋まで届いてしまうだろう。
それを知っていて、レオナはあえてヒカルから声を引き出す。
「ハ……ッ、いいじゃねぇか。聞かせてやれよ、お前が誰に抱かれているのか、わからせてやれ!」
「ん、あぁ……!」
ばちゅんと大きく腰を突き動かせば、ヒカルの背筋が反っていい声で啼いた。
ヒカルの弱いポイントを発掘したレオナは、獣ならではのしつこさで突いて突いて、突きまくる。
「あ、あ、あーッ! そこ、やめ…ぇ……ッ、ん、ふあぁ……!」
腰を打ちつけるたびに溢れた蜜が飛び散ってシーツを汚す。
淫らな行為で汚れたシーツを誰が洗うのかなんて、王族であるレオナには些末な問題。
気分がいい。
計画が上手くいかない苛立ちも、ヒカルから受けた侮辱もすべてがどうでもよくなるほどに。
もっと喘げ。
もっと乱れろ。
これは、俺のものだ!