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Change the world【ツイステ】

第2章 撮影ホステージ!【レオナ】




レオナの中で、たぶんヒカルの印象はだいぶ変わってしまっただろう。

仕方がないことだ、人間はいつまでも燃える想いを隠せない。

「あー……、もういい。とにかく、風呂に入りたい。それでいいんだな?」

「……はい。」

考えるのが面倒くさくなったのか、レオナは気持ち悪いほどのヒカルの愛を聞き流してくれた。
優しい、好きだ。

「それこそ、俺に声を掛けろよ。ひとりで出歩いて、どこで風呂に入るつもりだったんだ。」

「それは、ほら、寮の前に大きな泉があるから、そこで……。」

「馬鹿か? ここは男子寮だぞ。むやみやたらに肌を曝すな。」

「え、心配してくれてる……好き。」

「……。」

息を吐くように告白したら、息を吸うように無視された。
そのクールなところが堪らない。


ああ見えて意外と面倒見がいいレオナは、親切にヒカルをバスルームへと案内してくれた。
眠いだろうに万が一にも他の寮生が近寄らないよう入口で見張ってくれて、広々とした浴場を独占して一日の汚れを綺麗さっぱり落とした。

着替えとして借りた衣服は、ランドリールームに置いてあったというサバナクローの運動着。

(これは、あの憧れの……!)

レオナ、ラギー、ジャックとお揃いになれる夢の運動着。
ぜひとも写真に撮って永久保存したいのに、こんな時に限ってカメラがない。

ならばせめて買い取らせていただけないかと思いレオナに頼んでみたが、冷たい視線を返された。


なにはともあれ、ヒカルは無事に目的を果たすことができ、今度こそ健やかな眠りに――つけるわけがなかった。

(ね、眠れない……!)

推しとの二人きりの空間に緊張し、レオナの寝息がヒカルの妄想を滾らせ、やっと夢の世界へ旅立てたのは明け方。

おかげさまで人質という身も忘れ、完全に寝坊をした。



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