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Change the world【ツイステ】

第2章 撮影ホステージ!【レオナ】




この女、今なんと言った?

聞き違いでなければ、彼女は思いっきり「好き」と叫ばなかったか。

しかし、レオナに動揺している暇などない。
なぜなら、叫んだ本人がレオナ以上に取り乱し、今にも支柱に頭をぶつけそうだからだ。

「すんってやられた! すんって……!!」

「お、おい、落ち着け。」

「あぁ、いやーー! レオナのイケボが、推しの声が耳もとで……!」

「い、いけぼ? よくわかんねぇが、少し落ち着け。」

「やだぁッ、好き!!」

落ち着けと何度も言わねばならないほど、ヒカルの暴走は凄まじい。
わけのわからない言葉を口にしては、「好き」だの「推し」だの喚いている。

「推し」の意味はわからないが、「好き」の意味は言わずと知れている。
では、その「好き」がどこに向けられているのかといえば……。

「……お前、俺のことが好きなのか?」

「好きです! 神の如く!!」

まさかと思って尋ねたら、即答だった。
過呼吸気味に息を荒げ、ぜぇはぁ……とヒカルが崩れ落ちた。


要約すると、どうやらヒカルはレオナを崇拝しているらしい。

崇拝、まさに崇拝だ。
ヒカルはレオナを崇めるほど、顔や声、髪や筋肉、瞳の色、果ては爪の形までもを愛している。

それはもう、気持ち悪いほどに。

けれどなぜだか、悪い気はしない。
ヒカルがラギーに好意を持っていないとわかっただけで、妙に胸がすっとした。

「俺と付き合いてぇのか?」

試しにそんな質問をしてみたら、ヒカルが勢いよく顔を上げた。
レオナとしては、付き合ってやってもいい。
その方が今後の作戦が有利に働くし、これだけ崇拝しているのなら、なにかと都合がいいだろう。

そんなふうに思っていたけれど……。

「いや、全然!」

これまた即答で断言された。



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