第5章 御都合ライアー！【トレイ】

猛々しく反り返った楔をヒカルの中へ埋めたトレイは、熱く震える吐息を喉から絞り出した。

狭くきつい蜜路は想像以上に気持ちがよくて、腹筋に力を入れておかないと出るものが出てしまいそう。

(これ、普通…なのか……？)

ぬかるんだ蜜壺はトレイの雄を食い千切らんとばかりに締まり、ともすれば痛みを伴うほど。
他の女性と比べるほどトレイには知識がなく、当然、処女膜を突き破った感触になど気づけるはずもなかった。

｢く、はぁ……ッ｣

蠢く襞に誘われ、ゆるりと腰を動かすと、組み敷いたヒカルがくぐもった声を漏らす。

｢んッ、うぅ……。｣

辛そうな声にハッとしてヒカルを窺い見れば、手の甲に歯を立て、懸命に声を押し殺していた。

｢ヒカル、大丈夫か？｣

｢う、ん……。｣

歯の痕が残る手を無理やり引き剥がして問うと、彼女はぎこちなく頷いた。
裸眼と灯りを消したせいでヒカルの表情までは見えないけれど、声色からして大丈夫とも言い難い。

一度中断して性器を抜くべきだろうが、そうしてしまうとヒカルから｢やっぱり抱けなかったね｣と言われてしまいそうで怖い。

悩む姿を見かねたのか、トレイの下でヒカルが弱々しく告げる。

｢続き、ゆっくり、して……。｣

｢……わかった。｣

大丈夫だと言うヒカルを信じるしかなくて、ゆっくり、慎重に蜜路を行き来する。

｢ん、ん……。｣

トレイの大きさに慣れたのか、やがてヒカルの声から辛さが消え、ぎちぎちだった胎内にも余裕が生まれる。
痛いほどの締めつけがなくなった代わりに、新たに生まれた蜜が潤滑油の役割を果たしてじゅぽじゅぽといやらしい音を立てた。

滑りがよくなった分、互いに得る快感が大きくなってきた。

｢……ッ、もう少し、強くしてもいいか？｣

｢んッ、だい…じょぶ……！｣

許しをもらい、徐々にスピードを速めていく。
同時にストロークを長くしていくと、擦れる部分が増えてよりいっそう快感が高まる。

｢あ……ッ、ふぁ…ん……ッ｣

揺さぶられるヒカルの声に甘さが混じり、心から安堵した。
気持ちよくなっているのは自分だけではないと確信し、彼女が感じる場所を探して腰を打ちつけた。