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Change the world【ツイステ】

第2章 撮影ホステージ!【レオナ】




遅れてしまった仕事をエースとデュースに責任を取らせ、ついでに“善良な生徒”にも助力を乞い、日没を目前にして業務を終えたヒカルは肩を鳴らしながらオンボロ寮への道を歩く。

学食にて夕飯にありつく前に、汚れた身体を清めなければ気が済まない。
なにせ、女子なのだから。

ところが、ヒカルの予定は背後から聞こえてきた声によって崩れてしまう。

「ヒカルくん、見ーっけ!」

「げ……。」

振り向かなくても、声の主はわかっている。
こちとらランクMAXの元プレイヤーだ。
キャラクターの声くらい、目を瞑っていても判別できる。

ラギーが計画の妨げになる写真を放置するはずもなく、近いうちに接触してくるのは予想できていた。
それを見越してエースとデュースの二人はリドルから護衛を命じられていたはず。

しかし、慣れないハードワークに疲れた二人は、「もう護衛とかめんどくせー。先にメシ行くわ」「ラギー先輩が来たら、親密度を上げるチャンスだろ?」とか言いながら、一足先に食堂へ逃げた。

10代のくせに生意気な。

というわけで、ヒカルは絶賛狙い目なのである。


「ヒカルくーん。無視しないでほしいッス。」

面倒事は回避!とばかりに無視してみたものの、そんな些細な抵抗が通じるわけもなく、ヒカルは諦めて背後を振り向いた。

「なに、ラギーくん。わたし、今忙しいんだけ…ど…――!?」

振り向いた途端、ぎょっと目を剥いた。
なぜなら、ラギーだけだと思っていた背後にはレオナの姿もあり、心臓をドキュンと撃ち抜かれた。

「そんなこと言わずに。手間は取らせないッスよ。」

(や、やだ、なんでレオナが一緒にいるの? てめぇのケツはてめぇで拭けってタイプでしょ!?)

「簡単なことッス。さっきのカメラ、オレに渡してくれればいいだけッスから。」

(やっぱり計画が心配で? それともラギーが心配なの? どっちにしてもレオナらしくない……好き!)

「……ヒカルくん、聞いてます?」

全然聞いていなかった。
ラギーには申し訳ないが、最推しを前にしたらどんな素敵ボイスも耳に届かない。



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