第4章 片恋コンサルテーション!【アズール】
薬を盛られたと知ったヒカルの頭の中は、クエスチョンマークでいっぱいになった。
なぜ自分は薬入りの納豆を食べさせられ、そしてアズールがこんなにも焦っているのか。
もはや、嫌な予感しかしない。
「えっと……、ちなみにどんな薬なの?」
「陸地で呼吸ができなくなり、体温調節が不可能になる薬です!」
「は……、はあ!? なにそれ、毒じゃん!!」
「だから焦っているんですよ!」
だからと言われても、毒を盛ったのはアズールじゃないか。
なぜそんな恐ろしい薬をヒカルに仕向けたのか聞き出したかったけれど、本当にそれどころではなくなった。
身体が火照り、息が乱れてきたからだ。
「ん……、なんか……、変……ッ」
「ああ、もう効果が表れてしまったのか! 大丈夫ですよ、安心してください。死ぬわけではありません。水中でなら、ちゃんと呼吸ができますから!」
「水、中……?」
「詳しい説明はあとです! あなた用の水槽は用意してあるんです。ああ、くそ、こんな計画じゃなかったのに……!」
いろいろと、不穏な言葉が聞こえてくる。
ヒカル用の水槽とか、計画とか、とりあえずアズールが良からぬ計画を企てていたのはわかった。
ヒカルの身体には確実に変化が訪れていて、息は乱れ、動悸がして、どうにもできない熱がこもる。
そして、その熱には、どこか身に覚えがあった。
「ア、アズールくん……。その薬、本当に、息ができなくなる、ものなの……?」
「そうですよ。ああ、可哀想に!」
薬を盛った張本人がなにを言う。
しかし、ここで不思議な点がひとつ。
ヒカルの吐息は乱れているが、水中で息を止めて苦しくなるような酸素不足ではないし、火照る熱もなにやら違うような気がする。