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Change the world【ツイステ】

第4章 片恋コンサルテーション!【アズール】




ヒカルの切り替えは早い。

一度引っ込んだ涙は再び溢れることなく、乾いた目元で仕事を再開する。

魔法の掃除機が故障しているせいで箒と塵取りを頼らなければならず、効率がとても悪い。

アズールの相談役を並行して任せられているヒカルにとって効率の悪さは命取りになり、思うように進まない仕事に苛立ちが募る。

あんな場面をアズールに見られてしまったから、余計に。

だから校舎裏でクロウリーの姿を見つけた時のヒカルの迫力といったら、凄まじいものがあった。

「あッ、学園長!」

「おや、これはこれはヒカルさんじゃないですか。ご機嫌いかがです?」

「ご機嫌、いいわけ、あるか!」

大股で、そして鬼の形相で詰め寄ったヒカルは、むしゃくしゃした勢いのままクロウリーの胸ぐらを掴んだ。

「ちょ、ちょっと、どうしたんです? 私、一応あなたの雇い主……。」

「雇い主なら、働いている人の意見もちゃんと聞いてよ! 魔法の掃除機が壊れたって、何度も何度も言ってるのに!!」

吸うだけでいいはずのゴミをちまちま集め、袋に詰め、焼却炉へ持っていく作業は非常に手間で、一刻も早く掃除機を直してほしかった。

「ああ、アレですか……。」

「まさか、忘れてたなんて言わないですよね?」

ヒカルの額に青筋が走る。
再三にわたって伝えてきたことを忘れていたら、キレる。
すでにキレ気味だけど、さらにキレる。

笑顔で怒るヒカルの恐ろしさが伝わったのか、慌ててクロウリーが首を横に振った。
仮面の先っちょがヒカルの顔に当たりそうで危ない。

「まっさかぁ! この私が忘れるはずないじゃないですか! ええ、もちろんですとも!」

反応がいちいちわざとらしい。
真偽がどうであれ、掃除機が直ってくれればこの怒りを収めよう。



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