第2章 撮影ホステージ!【レオナ】
ラギーに連れられて、サバナクロー寮生たちが引き上げていく。
とりあえず、目前のピンチは去った。
けれども、一難去ってまた一難。
「……で? いったいなにがあったんだい?」
リドルにそう尋ねられてしまうのは、必然だった。
仮にも教員サイドのヒカルが多数の生徒たちに追い回されているとあっては、規律を重んじるリドルならば見過ごせない。
例え、助けを求めたのがリドルじゃなくても、この状況なら誰でも理由を尋ねるだろう。
無理とは思いつつも、一応はぐらかしてみる。
「いや、別に、なにも……。」
正直に事情を明かさなかったのは、ヒカルが撮影してしまった写真が今後の展開に深く関わるから。
できることなら、リドルと別れてすぐデータを消去してしまいたい。
そんなヒカルの後ろめたさを察したのか、腕を組んだリドルが寮長の顔になる。
「そうか。キミはもう少し素直な人だと思っていたけれど。しょうがないね、今からうちの寮に招待しよう。」
「え……ッ」
これが素敵なティーパーティーへの招待ならば、まだよかった。
でも、リドルの顔は明らかにヒカルを尋問しそうな表情で、危険センサーがびんびん反応する。
「あ、わたし、ちょっと仕事があって……。」
「問題ないよ。あとでエースとデュースに手伝わせよう。これ以上は……おわかりだね?」
にっこりと微笑むリドルが怖い。
助けてもらう人選を間違えたと後悔しても、もう遅い。