第4章 片恋コンサルテーション!【アズール】
覚えたてのキスは、めちゃくちゃなキス。
ヒカルから教わった技をなにも活かせず、欲望のままに舐めしゃぶる。
唾液が溢れようともお構いなしで、ただ、唇を触れ合わせていることだけが重要だった。
唇を合わせ、身体を繋げ、快楽を貪る。
激しさを増していくばかりの結合部はずぷぬぷと卑猥な水音を響かせて、快感の昂ぶりを教えてくる。
深く突き上げると、よりいっそうヒカルの身体が震えるから、奥ばかりを攻めるようにした。
「ん、ん、んぅーーッ」
塞いだ唇の奥で生まれる嬌声。
声ごとすべてを飲み込んだアズールは、まるで慈悲深き海の魔女のようだ。
けれど実際には与えてもらっているのはアズールで、自分はヒカルになにも返せてはいない。
せめて少しでもヒカルに快楽を、と頑張ってはみたが、白旗を揚げるのはやはりアズールが先だった。
「ん、は…ぁ……。ヒカルさ……、限界、です……ッ」
恐らくは、早い。
しかし、初めてにしては大健闘した方だと褒めてほしい。
アズールのすべてを受け入れたヒカルは、やはりここでも嫌な顔をせず、細い腕を背中に回しながら頷いた。
「あ、ん……、いい…よ……。好きな…タイミングで……ッ」
「……ッ」
まだ、終わりにしたくはない。
この優しく温かな腕にいつまでも抱かれていたい。
そんな子供のような願いが胸を占めたけれど、無駄だった。
せり上がってくる欲望を抑えることができず、煮えたぎるマグマの吐き出し口をヒカルの奥に押し込み、弾ける快楽を暴発させた。
「ぐ……、はぁ……ッ」
噴出した白濁は水の膜によって受け止められ、避妊の役割を果たす。
至極当然な配慮だというのに、ヒカルの中にアズールのすべてを注ぎ込めなかったことを、なぜか残念に思った。