第4章 片恋コンサルテーション!【アズール】
ショックを受けてもなお、アズールの雄は質量を損なわない。
これはアズールの性欲が強いという話ではなく、単にヒカルの中が気持ちよすぎるせいだ。
動いていいと言われたアズールは、本能のまま、蜜に塗れた隘路を行き来する。
蜜壁を擦りながら律動をすると、すぐに新たな快感が生まれ、アズールを昂らせる。
けれどそれは、アズールに限ったことではない。
「あ、んん……ッ、うぁ、あ……ッ」
壁を擦るたび、奥に穿つたび、ヒカルの喉から甘い嬌声が溢れた。
気持ちいいのは自分だけではないという証拠が、胸の痛みを忘れさせるほどの幸福を与える。
「ヒカルさん、気持ち…いいですか……?」
「ふ…ぁ……、うん……。でも……、もう少し、ゆっくり……ッ」
アズールの動きは速い。
打ちつけるストロークも長く、力いっぱいヒカルを抱く。
得る快楽は大きいが、その分体力の消費も激しく、額からは玉の汗が吹き出した。
「ひぁ、あぁ……ッ、ゆっくり……! そんなんじゃ……、バテちゃう……ッ」
「大丈夫、です! 筋トレくらい、毎日……、してるんですから……ッ」
と、格好つけて言ってみたけれど、実は止められないだけである。
ヒカルの中が気持ちよすぎるせいなのか、腰の動きが自分の意思で制御できない。
下半身が別の意識に支配されているかのように、淫らな蜜路を侵し続ける。
「あぁッ、ん、あ、アズール……ッ」
甘い声で名前を呼ばれるとたちまち達しそうになり、燻る吐精感を我慢しつつヒカルを責めた。
(顔が、見たい……。)
眼鏡を失ったために低下した視力。
ヒカルがどんな顔をして喘ぎ、どんな顔をして名前を呼ぶのか知りたくなって、至近距離で覗き込む。
息が触れるほどの近さまで迫ったのは、微細な表情ひとつ見逃したくなかったから。
蕩けた瞳がアズールを捉え、僅かに微笑んだ。
(……可愛い。)
ヒカルが誰よりも可愛い。
初めて。
初めて心からそう思ったアズールは、可愛いヒカルの唇をキスで塞いだ。