第4章 片恋コンサルテーション!【アズール】
初めこそ強張っていたアズールからは、力が抜けているように思える。
緊張していないわけではないけれど、反った背はむしろ前のめりになり、徐々に重圧がヒカルに掛かってくる。
そうなると、今度はヒカルが背を反らす番で、膝立ちゆえに体勢が辛くなり、やんわりとアズールの胸を押した。
少し重心を変えてほしくて起こした行動だが、アズールにはキスを終えるよう指示されたと伝わったらしく、嫌がるようにますます重心がヒカルに移る。
「アズ……、ん……ッ」
口づけの途中で真意を伝えようとしたけれど、それよりも早く限界が訪れた。
アズールの体重を支えきれなくなったヒカルは、そのまま後ろにひっくり返った。
同時にアズールも倒れたから、体勢からするとアズールがヒカルを押し倒したように見える。
恥じらいが強いアズールのことだ、ここでいったん中止になるかと思いきや、予想に反して彼のキスは止まらない。
これまでは受け身だったアズールが、立場を逆転してヒカルの口腔に舌を押し込み、ぬるぬると口の中を探っている。
その動きは、まるで新しい壷を見つけたタコのようで、住み心地が良いかどうかを確かめられている錯覚を起こす。
口内をまさぐったアズールの舌が、心地よさそうにヒカルの舌上に居座る。
背中に回っていた腕が緩み、もぞもぞと怪しい動きをし始めると、長い口づけがようやく終わる。
「……先に、……先に進みたいです。」
キスよりも先。
アズールが言わんとすることを正しく理解したヒカルは、少しだけ背を浮かせて空間を作る。
「ホック、外して。」
背中にあるブラジャーのホック。
それを外すように言うと、ヒカルの指示に従ったアズールの指が器用に片手で外す。
もしかしたら外せないんじゃないかと予想した心配は杞憂で、下着の締めつけは難なく緩んだ。
ならば次はヒカルの番だと覚悟を決め、胸を覆う下着をするりと外した。
零れ落ちた二つの膨らみに、アズールの視線が釘付けになる。