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Change the world【ツイステ】

第4章 片恋コンサルテーション!【アズール】




スマホを手にしてから、アズールとの交流が格段に増えた。

意外だったのは、イメージに反してアズールがこまめにメールを返すタイプだったこと。

ユウに関する話じゃなくても、本当にくだらない雑談であっても、授業中でなければ必ずすぐに返事をくれる。

そんなふうに連絡を取り合っていると、時折アズールと友人になったような気になってしまうが、それは大きな勘違い。

ヒカルとアズールは、契約主と相談役という取引きがあるからこそ成り立っている関係だ。

今日も今日とて、契約主から相談役への連絡が入る。


『放課後、実験室に来てください』

アズールからのメールを読んだヒカルは、ついに来たか……と気を引き締めた。

胃炎を起こしたあの日以来、ヒカルが実験室に呼ばれたのはこれが初めて。

ジェイドの話によると、ダークマター……もとい納豆試作品1号によってヒカルが体調を崩したことを、アズールは反省したらしい。

反省するアズールなんて想像できないが、まあ、悪いとは思ってくれたのだろう。
それから納豆については音沙汰もなくなったので、「もしや諦めたのか?」と思っていたが、アズールの辞書に挫折の文字はなく、密かに実験は続いていたようだ。

今日一日で集めたゴミを焼却炉に持っていったら、指定された実験室に向かう。
魔法の掃除機さえ壊れていなければ、いちいち焼却炉へ行く必要なんかないのに、クロウリーは一向に修理をしてくれない。

面倒くさがりな雇用主に不満を抱きながら実験室の扉を叩くと、中からすぐに返事があった。

「遅かったですね。放課後はとっくに始まっていますよ?」

「あら、ごめんね? わたしも暇じゃないからさぁ。」

「その言い方だと、僕が暇人みたいじゃないですか。」

好きな人を射止めるために、プレゼントの開発に勤しむのは、世間一般的に暇人と言えよう。

それを面と向かって言わなかったのは、怒らせたくなかったから。

アズールはよく怒り、よく拗ねる。
フロイドのように放っておいても機嫌が回復するわけでもないので、できるならば地雷は踏まないでおこう。



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