第4章 片恋コンサルテーション!【アズール】
「あなたが僕をひとりにするのがいけないんですよ!」
放課後、朝食時の意気地のなさを指摘したら、逆ギレしたアズールにそう詰られた。
「え~……、子供じゃないんだから、そこは自分の力で頑張ろうよ。」
「それができたら苦労はしません! そのための相談役でしょう、仕事はきっちりこなしてください。」
「いやいや、双子の相手したでしょ。テーブルに留めておくの、すっごく大変だったんだからね!」
気を抜けばフロイドが邪魔しにいきそうで、なるべく興味がこちらに向くように相手をするのは苦痛だった。
ジェイドはジェイドでこの状況を楽しんでいるらしく、ちっともフロイドを止めてくれない。
「そもそも、ひとりで食堂に来ればよくない? 揶揄われて邪魔されるのは目に見えてるんだし。」
「僕がひとりで食堂まで行ったら、あからさますぎておかしいでしょう!」
「あからさまでいいんじゃないの? 意識してもらわないと始まらないし。」
「……。」
黙ってしまった。
悪巧みに関しては抜群の才と行動力に恵まれているのに、それが恋愛になると途端にへっぽこになるらしい。
「うーんと、一緒に食事は難易度が高かったかな? まずは印象をよくするために、プレゼントとか贈ったらどうだろう。」
「……! プレゼント! そうです、そういうものを僕は求めていたんです! で、ユウさんが喜びそうなプレゼントとは?」
「え、えーっと……。」
ユウが喜ぶものって、なんだろう。
アクセサリーは身につけないし、外出着も必要ない。
無難に花でもいいが、あまりにも芸がなくてイマイチだ。
もっと、ユウが飛び上がって喜びそうなもの。
アズールの印象が変わるくらい、欲しがっているもの。
それは……。
「……納豆とか?」