第4章 片恋コンサルテーション!【アズール】
アズールとユウの出会いは、3章で起こる期末テスト事件だ。
対価を支払えばなんでも願いを聞き届けると噂のアズール。
彼の力を頼って、学力に自信がない生徒が期末テストシーズンにわんさか集まった。
彼らがテストで良い成績を修めるためにアズールが用意したテスト対策ノートは、前日の夜に少し勉強すれば満点近い点数が取れる秘宝。
その秘宝はアズールが過去100年分のテスト問題を分析し、出題傾向を導き出した完全無欠なノートであり、ひとえに努力の賜物だ。
当然タダで渡せるはずもなく、アズールは彼らに条件を出した。
“テストで上位50番までに入ること。もし達成できなければ、担保に預けていた得意魔法はアズールのものとなり、契約者は学園に在籍している限りアズールの奴隷となる”
エース、デュース、グリムを含めた契約者はこれに同意し、アズールのユニーク魔法である“黄金の契約書”にサインをした。
ユニーク魔法、黄金の契約書――カタカナ読みしてイッツ・ア・ディールは、アズールが魔法で作り出した契約書にサインをさせれば、対象の契約者から能力をひとつ奪うことができ、条件を果たせなかった場合は強制的に支配下に置くこともできる。
なお、支配下に置かれた者の頭には、イソギンチャクが生えるという謎のオプション付き。
アズールが期末テストで契約をした生徒は、延べ300人以上にものぼり、必然的に250人が成績50位からあぶれた。
契約人数を知らされず、さも自分だけと取引きをしていると思い込んだ契約者たちは、インテリヤクザなアズールの奴隷と化してしまったのである。
と、これが3章の大まかなあらすじであり、グリムたちを奴隷から解放するためにユウが奮闘したわけだ。
その際にもアズールはユウに無理難題を押しつけ、邪魔をし、最終的にはオーバーブロットまでしてしまったのだから、印象が悪くて当然なのだ。