第4章 片恋コンサルテーション!【アズール】
言いたいことがあると言われたら、当然気になる。
ゆえに、箸を置いたユウは首を傾げてアズールに尋ねた。
「自分に? なんですか、アズール先輩。」
「え、あ、いや……。その、たいしたことじゃなくて、ただ僕は……。」
アズールの視線がユウと、それから空いたテーブルの席へと交互に散らばる。
(ああ、なるほど……。)
なんとなく、なんとなくだが察してしまった。
きっと彼は、ユウと一緒に食事がしたいのだ。
「……よかったら、アズールくんたちも一緒に食べない?」
「お、おい、ヒカル――」
「い、いいんですか!? 仕方ありませんね、ええ。年上のヒカルさんに誘われては、断る方が失礼です。ジェイド、さあ、ご相伴に与りましょう!」
ヒカルを止めようとしたデュースの声を遮って、食い気味に誘いへ乗ったアズール。
デュースの隣、ユウの斜め前に座ったアズールがうきうきと椅子に座った。
そのアズールの隣にジェイドが座るかと思いきや……。
「すみません、ヒカルさん。差し支えなければ、席を代わっていただいてもよろしいでしょうか?」
「え、いいけど……。」
「ジェ、ジェイド! それはズルイ――ごほんッ、失礼ですよ!」
「おや、そうですか? ヒカルさんはいいと言ってくださいましたが。……ねえ?」
「あ、うん。いいよ。」
椅子から立ち上がり、トレイに乗った食事を持ち上げようとしたけれど、その前にジェイドがささっと向かいの席に移動させ、恭しく椅子を引いてくれる。
「さあ、どうぞ。」
「あ、ありがと。」
いちいち紳士っぽい仕草が似合う男だ。
まあ、本当の紳士は女性に席を移動させたりはしないけれど。
「ジェイド、あなたという人は……ッ」
残されたアズールが臍を噛む。