第4章 片恋コンサルテーション!【アズール】
毎朝ヒカルとユウは学園の大食堂にて朝食をとる。
各寮にはそれぞれ食堂があって、寮生はどちらを選択しても構わない。
基本的に寮の食堂は寮生だけしか利用できず、食堂のないオンボロ寮に住まうヒカルたちは、必然的に大食堂で食事を済ましている。
メニューは大食堂の方が多いけれど、寮で食べた方が忙しい朝はなにかと便利で、朝食時の大食堂は人もまばら。
しかし中には大食堂を好む生徒もいて、エースとデュースがそれに当たる。
ハーツラビュル寮は食堂においても規律が厳しいからだ。
「おーっす、ヒカル、ユウ、おはよー。」
「エース、デュース、おはよう。」
「ああ、おはよう。今日のメニューはなんだった? オムレツはあったか?」
本日の日替わりメニューは4種。
フレンチトーストとグリルソーセージのセット、ミルクリゾットとオムレツのセット、バケットとチーズハンバーグのセット、白米と焼き魚のセット。
いずれもサラダとスープ、ドリンクがついてきて、大盛は無料。
食欲旺盛な男子学生のお財布に優しい仕様になっている。
「チーズハンバーグの一択っしょ。焼き魚定食なんて頼むやつ、いるかぁ? ……っと、ここにいたわ。」
と、わざとらしくエースがユウの食事を覗き込んだ。
「お前、あいかわらず地味な食いもんが好きな。」
「悪い? ていうか、和食は地味じゃないし。」
ツイステッドワンダーランドがいったいどのくらいの広さで、どれほどの国があるのかは知らない。
しかし、少なくともナイトレイブンカレッジでは、圧倒的に洋食が支持されていた。
主食は米よりもパンやジャガイモがポピュラーで、和食はマイナー料理として認知されており、食堂のメニューに上がる日は少ない。
幸いなことに醤油は存在していたが、珍しい食材ゆえに手軽に買える値段でもなく、ヒカルとユウはホームシックならぬソウルフードシックに陥っていた。