第4章 片恋コンサルテーション!【アズール】
ツイステッドワンダーランドの世界にトリップして、早いもので数ヶ月が経った。
始めのうちは、この世界が非現実的なものだと考えていたヒカルも、数ヶ月も経てば徐々に現実の世界だと認識してきて、原作のストーリーにも拘らなくなってきていた。
なにせ、現実はゲームと違って目まぐるしく、このキャラこんな性格してたっけ?とか、この話ってそういう展開だった?という出来事が山のようにあるのだ。
例を挙げるのなら、ユウがその最たるものだ。
ゲームの主人公であるユウは顔も出ず、声も出ず、詳細なプロフィールですら明らかになっていない。
が、この世界では違う。
トリップしてから経過した時間はそのままユウと暮らした月日に匹敵し、同じ異世界人ともあって、互いの支えになってきた。
ユウは可愛いし、良い子だ。
最近は短かった髪もちょっぴり伸びて、女の子らしさが醸し出ている。
「ユウ、髪が伸びたね。」
「ああ、そうなんだよね。そろそろ切りたいんだけど、髪ってどこで切ればいいんだろう。」
「伸ばしたままでもいいんじゃない? ほら、うちの学校って髪長い子けっこう多いよね。」
ケイトにレオナ、ジャミル、ヴィル、マレウスとリリア。
イデアにいたっては長髪を極めている。
「でも……、性別がバレる危険性は少しでも減らしておきたいかな。」
「うーん、リドルくんやエペルくんも短髪ってほどでもないし、気にしなくてもいいと思うけどねぇ。美少年枠でどう?」
「美少年って……。」
ささっと手櫛で髪を整えたユウは、十分美少年で通用する。
本当は女の子なのにそれもどうなのかと思うが、そもそも男子校に女子が隠れて通っているとは誰も思わないらしく、ユウは学園でもスムーズに馴染んでいた。